現在、やっと沈静化しつつある新型コロナ禍に、変異型ウイルスが猛威を振るうのではと、またまた驚怖を国民に対して与えるような言葉でマスコミは不安仰ぎに躍起になっていますが、そこまではなかろうと私は傍観視しています。
 私があわてず座して踊らずの理由は、ウイルスの変異はウイルスの生存を図る手段であって、ウイルスの生きる知恵だと信じています。変異は宿主と共生を図るために、密かに侵入して、人体細胞内に静かに潜り込み、ウイルス個体を作ってもらうという生活の知恵と言える機序なのです。
人体侵入当時は勝手が分からず大きな毒性を示し、生体にサイトカイン ストームのような免疫の反応過多と暴走を生じ、強い肺炎と死亡を起こしました。これらのことを反面教師として、静かに侵入、弱生体弱で生体に侵入し、ウイルス増殖を担ってもらい、速やかに退散すべく変異するといえます。変異は強い感染力と弱い毒性化であって、原ウイルスと異なった進化ウイルスといえます。
 全ての微生物は人類に初感染すると、大きな毒力を発し、重篤化や死亡率を高めます。かつてのエイズは、1980年頃は感染後5年内に全員死亡という驚怖を全世界に与え、真に高毒性の恐ろしい病気でパニックを与えました。感染者(HIV陽性者)は年々増加しましたが、死亡率は徐々に減じてゆきました。そして、1997年頃のART(多剤併用療法)の導入により、感染者数とエイズ患者死亡者数の乖離が始まり、現在では両者ともに減少と改善されています。1985年から2017年までの日本での患者統計では、HIV感染者 19,896人、エイズ患者(発病者) 8,936人、病変死亡者 985人で死亡率は5%程度の疾患となってきました。
 新型コロナはエイズのように慢性疾患的ではなく、急性発症型ですが同様に変異株で大人しくなってゆくとみてよいでしょう。インフルエンザは毎年型を変えて蔓延化を図っています。インフルエンザでは毎年の変異は小変異で、新型とはいいません。新型ウイルス株出現はH1NI(ソ連風邪)、H2N2(アジア風邪、H3N2型(香港風邪)の3株が大変異で、出現当時世界蔓延(パンデミー)して多くの死者を出しましたが、ほぼ毎年小変異して流行するも死亡率はさほど大きいものではありません。 新型コロナはインフルエンザウイルスとは全く異なりますが、流行や病状は非常に似ています。新型株は原ウイルスの予防接種は強力には効きにくいでしょうが多少は効果を示し、減少に寄与してゆくでしょう。新型で多くの人が死ぬというマスコミの言葉を鵜呑みにして、慌てふためくことは止めるべきでしょう。